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The Graph移行手順|BNB・Polygon旧Studio URL終了後のGateway切替

The Graph移行手順|BNB・Polygon旧Studio URL終了後のGateway切替
この記事の目次 9章

BNB ChainまたはPolygonのSubgraphをSubgraph Studioのテスト用URLから直接呼び出していた場合、接続先の移行が必要です。The Graphの公式告知によると、両チェーンに対するStudioのステージングクエリは2026年10月8日に終了しました。ただし、Subgraph Studioそのものがなくなったわけではありません。

結論からいえば、対応の中心はSubgraphを分散型Networkへpublishし、Indexerの同期を確認してから、APIキー付きのGraph Gateway URLへアプリを切り替えることです。この記事では、影響判定、互換性確認、公開、課金設定、比較試験、切替後の監視を作業順に説明します。すでにNetworkへ公開済みでGatewayを利用しているチームも、接続先と監視設定を再確認できます。

料金、Gateway URL、対応機能は変更される可能性があるため、作業時には公式画面と文書も照合してください。なお、BNB ChainとPolygonで異なるのは主にmanifestのnetwork値、コントラクトアドレス、startBlockです。publish以降の操作は共通です。

BNB・PolygonのStudioクエリ終了で何が変わったのか

終了したのはStudioのステージングクエリ

終了対象は、BNB ChainまたはPolygonのSubgraphをStudioにdeployし、Studioが発行するステージング用エンドポイントへ照会していた構成です。ステージングは、開発中の版を試し、ログやクエリ結果を確認する場所です。本番アプリの恒久的なデータ取得先として使い続ける構成では、今回の終了によってクエリが失敗する可能性があります。

ここで「チェーンが終了した」「Subgraphのデータが削除された」と解釈しないでください。変更されたのは対象チェーンに対するStudio側のステージング照会です。BNB ChainやPolygon自体、GraphQLという問い合わせ方式、Networkに公開されたSubgraphのGateway照会は別のものです。

Subgraph Studioは版管理・公開・APIキー管理に残る

Studioは引き続き、Subgraphの作成、deployした版の管理、Networkへのpublish、APIキーや利用状況の管理に使います。「Studioを使わなくなる」のではなく、「Studio内のテスト用URLを本番の接続先にせず、公開後はGatewayから照会する」という役割分担に変わります。

対応が必要なケースと不要なケース

現在の状態判断次の行動
Studioにdeployしただけで旧URLを利用対応が必要互換性確認後にNetworkへpublish
Network公開済みだが旧URLも残存接続先ごとに対応コード・環境変数・監視を棚卸し
Network公開済みでGatewayのみ利用原則として変更なしURL、キー制限、同期状態を確認

まずアプリの実際の通信先を見て判断します。管理画面に公開済みと表示されていても、アプリが古いURLを参照していれば影響を受けます。反対に、Gatewayへ移行済みなら、同じ作業をやり直す必要はありません。

移行前に現状とNetwork互換性を確認する

本番・検証・バッチの参照URLと、BNB・Polygon別のmanifestをネットワーク互換性マップ上で点検する移行前の運用室
公開前に、接続先・チェーン別設定・索引状態を一つの棚卸しへ集約する。

この節では、旧URLの残存箇所とチェーン別設定を特定し、「どこを見て何なら合格か」を決めます。

deploy先とアプリの参照URLを棚卸しする

本番、ステージング、バッチ、管理画面、サーバーレス関数、CIのテストなど、Subgraphを呼ぶ場所を一覧にします。URLをコードへ直書きしている箇所だけでなく、環境変数、シークレット管理、ホスティング設定、プロキシ、GraphQLクライアントの設定も対象です。BNB版とPolygon版を別々に持つなら、どのサービスがどちらを参照するかも記録します。

棚卸し表には「利用サービス」「チェーン」「現在のURL」「Subgraph名」「公開版」「担当者」「切替方法」「戻し方」を残すと、移行漏れを発見しやすくなります。URLにStudioの識別子があるかだけで判断せず、実際にどの環境へ届くかを公式画面と照合してください。

ログとサンプルクエリで索引エラーを確認する

Studioのログで、Subgraphが対象チェーンのブロックを継続して処理できているか、決定的な索引エラーが出ていないかを確認します。さらに、アプリで重要なGraphQLクエリを数本選び、期待するエンティティと項目が返るか試します。単にHTTP応答が成功しただけでなく、値の欠落、古いブロック、GraphQLのerrors配列も見ます。

決定的な失敗は、同じ入力を処理すれば再び起きる種類の問題で、mappingなどの修正が必要になる場合があります。非決定的な失敗は再試行されることがありますが、放置してよいという意味ではありません。原因と再発状況を記録し、公開判断と切り分けます。

Network非対応機能と複数チェーン設定を点検する

まなぶ「クリプ先生、Studioで動いていれば、そのままNetworkでも動くんですよね?」

クリプ「同じとは限らないよ。高度機能にはNetworkで未対応のものもあるから、manifestとmappingを公開前に確かめよう。」

Studioでテストできる機能のすべてが、分散型Networkでも同じ条件で使えるとは限りません。公式の高度機能一覧と対応ネットワークを照合し、manifestのnetwork、dataSources、features、開始ブロック、テンプレートなどを点検します。未対応機能があれば、公開ボタンを押す前に設計を変更します。

同じコードでもチェーン別の値を混ぜてはいけません。次の表を公開前レビューに使います。network値は実際の公式対応ネットワーク一覧と既存manifestを照合し、推測で書き換えないでください。

項目BNB Chain版Polygon版合格条件
manifestのnetworkBNB Chain用の公式network識別子Polygon用の公式network識別子Studioの対象チェーン表示と一致
dataSources.addressBNB Chain上のコントラクトPolygon上のコントラクトチェーンエクスプローラーの実アドレスと一致
startBlockBNB版デプロイブロック以前Polygon版デプロイブロック以前必要イベントを取りこぼさない値
版名・成果物BNBと識別できる名前Polygonと識別できる名前Studio上で取り違えない

networks.jsonなどに差分を分離し、ビルド後のsubgraph.yamlも確認します。確認場所はリポジトリとStudioの対象版、見る値はnetwork・address・startBlock、合格条件は3点が対象チェーンの実値と一致することです。不一致ならpublishせず、チェーン別設定へ戻ります。

分散型Networkへのpublishを準備する

この節では、公開する1版を固定し、署名に必要なウォレットとArbitrum Oneのガスを揃えます。索引対象チェーンと公開操作のチェーンは別です。Arbitrum Oneの役割はEthereumのレイヤー2解説も参照してください。

deployとpublishの違いを理解する

manifestは索引対象と処理方法の設定、mappingはチェーン上のイベントをエンティティへ変換するコードです。移行は次の4段階です。

  1. deploy:開発版をStudioへ送り、ログとクエリを試す。
  2. publish:テスト済み版を分散型Networkへ登録する。
  3. Indexer同期:Indexerが対象チェーンのブロックを処理して追いつく。
  4. Gateway照会:APIキー付きURLから公開Subgraphへ本番クエリを送る。

したがって、deploy成功もpublish成功も単独では本番切替の合格条件になりません。

公開する対象は、テスト済みの特定バージョンです。作業中に別のdeployが入ると、意図しない版を公開しかねません。コミット、ビルド結果、Studio上のバージョンラベル、Subgraphの対象チェーンを作業記録に揃えてから進みます。

ウォレットとArbitrum Oneのガス用ETHを用意する

Networkへの公開はオンチェーン操作を伴い、Arbitrum Oneに対応する署名用ウォレットとガス代用のETHが必要です。これは、索引対象がBNB ChainやPolygonであっても同じです。「どのチェーンのデータを索引するか」と「The Graphの公開操作をどのネットワークで記録するか」は分けて考えます。

組織運用では、個人の普段使いウォレットだけに権限を依存させず、所有者、承認手順、復旧方法を決めます。必要残高は操作時の公式画面で確認し、秘密鍵やシードフレーズをチャット、リポジトリ、チケットへ貼り付けません。GRTによるシグナルは任意の役割を持ちますが、投資判断と公開作業を混同しないことも大切です。

公開するバージョンを確定する

候補版に対してビルド、Studioでの同期、代表クエリ、エラーログを再確認し、公開中は変更を凍結します。版名には意味の分かる番号を付け、変更点、対象チェーン、以前の版からのスキーマ差分を書き残します。ロールバックが必要になった場合に、どのDeploymentへ戻すかも先に決めます。

Subgraphを公開しIndexerの同期を確認する

StudioまたはGraph CLIからpublishする

Studio画面の経路:Subgraph Studioへログインし、対象Subgraphを開き、Versionsでテスト済み版を選び、Publishを押します。接続ウォレットを確認し、公開先とシグナル条件を画面で確認してからArbitrum One上のトランザクションへ署名します。完了表示からExplorerへのリンクを開き、対象Subgraphと版を再確認します。画面名称は更新される場合があるため、最終的には公式公開手順の表記を優先してください。

CLIの最小例:まずStudio画面に表示されるDeploy Keyで認証し、コード生成、ビルド、deployを行います。実際のslugと版ラベルへ置き換え、秘密値はシェル履歴やログへ残さないでください。

graph auth --studio <STUDIO_DEPLOY_KEY>
graph codegen && graph build
graph deploy --studio <SUBGRAPH_SLUG> --version-label <VERSION_LABEL>

deploy後はStudioでその版を選び、画面のPublish経路でNetworkへ公開するのが確認しやすい方法です。利用中のGraph CLIが公式のpublishコマンドを案内する場合だけ、その表示と公式文書に従って実行してください。確認場所はStudioのVersionsと署名画面、合格条件は対象チェーン・版・ウォレット・Arbitrum Oneが意図どおりで、トランザクション識別子を取得できることです。

公開トランザクションが受理されたことは、移行完了ではありません。オンチェーン登録の後にIndexerがDeploymentを取得し、対象チェーンのデータを順に処理する段階があります。公開直後に本番トラフィックを全量切り替えないでください。

Graph Explorerで公開状態を確認する

公開後はStudioの完了画面からGraph Explorerを開き、所有者、Subgraph名、対象チェーン、公開版、Subgraph IDを確認します。合格条件は署名した版がExplorerに公開済みとして表示されることです。表示されない、所有者やチェーンが違う場合はURL切替へ進まず、Studioの対象版と公開トランザクションへ戻ります。Explorerの詳細画面は、後でQuery URLを取得する起点です。

最新ブロックと索引エラーから同期完了を判断する

まなぶ「クリプ先生、publishが成功したら、すぐURLを差し替えていいですか?」

クリプ「まだ早いよ。Indexerが十分に追いつき、重要なクエリが正しく返ることを確認してから切り替えよう。」

確認場所はExplorerの同期・ヘルス表示とクエリ結果です。索引済み最新ブロックをBNB ChainまたはPolygonの現在ブロックと比較し、チームが事前に定めた許容差以内、決定的な索引エラーなし、代表クエリが期待値どおりなら合格です。開始ブロックが古いほど初回同期量は増えます。一律の待ち時間はないため実測し、差が拡大する、エラーが出る、結果が欠ける場合はmanifest・mapping・Indexer状態の確認へ戻ります。外部データとオンチェーンデータの違いはオラクル問題の解説と混同しないでください。

同期途中でもクエリ応答が返る場合があります。しかし、最新データが揃っていない応答を本番で使えば、残高表示、取引履歴、集計などが欠ける可能性があります。切替条件を「応答した」ではなく、「許容するブロック差以内で、エラーがなく、検証クエリが一致した」と定義します。

APIキー・課金・利用制限を設定する

本番用APIキーを作成して安全に保管する

Network上のSubgraphへGatewayから照会するには、有効なAPIキーが必要です。本番、検証、開発でキーを分けると、利用量と漏えい時の影響範囲を切り分けやすくなります。キーを公開リポジトリへコミットせず、サーバー側のシークレット管理やホスティング環境の保護された変数へ保存します。

ブラウザから直接Gatewayを呼ぶ構成では、通信上キーが利用者から見える可能性を前提にします。キーを「見えないはず」と考えるのではなく、許可ドメインと許可Subgraphを設定し、支出上限と利用監視を組み合わせます。漏えいが疑われる場合の再生成手順も事前に試してください。

月次支出上限と利用量監視を設定する

上限は想定外の支出を抑える一方、低すぎれば正当なアクセスでも照会が止まる可能性があります。通常時の利用量、ピーク、再試行による増加、複数環境の合算を観測して決めます。入力調査にはNetwork上の無料クエリ枠についての公式説明もありますが、条件は更新され得るため、設定時の画面で必ず再確認します。

監視では、総クエリ数だけでなく、キー別、Subgraph別、環境別に変化を見ます。急増したときに、正規の利用増、クライアントの無限リトライ、第三者による不正利用を区別できるログを用意します。

許可ドメインと許可Subgraphを制限する

本番キーを特定のWebドメインと必要なSubgraphだけに制限すれば、キーが他所で使われる範囲を抑えられます。ワイルドカードを広く設定する前に、プレビュー環境やサブドメインを含む正規の呼び出し元を整理します。サーバー間通信ではドメイン制限だけに頼らず、ネットワーク構成、シークレット管理、定期的なローテーションを併用します。

アプリの接続先をGraph Gatewayへ変更する

複数Indexerを通る新Gateway経路へトラフィックを段階移行し、同期・エラー・遅延・利用上限を監視する本番切替画面
新旧経路の結果を比べながらトラフィックを移し、切替後も利用量と異常を監視する。

Explorerから本番用Query URLを取得する

Graph Explorerで対象Subgraphの詳細を開き、Query欄またはAPIキーを使う案内からQuery URLをコピーします。所有者、チェーン、Subgraph IDを先に照合してください。ダミー値による通常経路の書式は次のとおりです。

https://gateway.thegraph.com/api/<GRAPH_API_KEY>/subgraphs/id/<SUBGRAPH_ID>

特定版の比較試験でDeployment ID経路を使う場合は、Explorerまたは公式Serving Queries文書がその時点で示すURLをコピーし、通常経路と混ぜないでください。合格条件は、コピー元が目的のSubgraphで、有効なキーを入れた検証リクエストが成功することです。

APIキーを含むGateway URLへ差し替える

URLはコードへ直書きせず、たとえばサーバー側の環境変数へ分けます。フロントエンドへ埋め込む場合はキーが閲覧可能になる前提で、許可ドメインと許可Subgraph、支出上限を必ず設定します。

GRAPH_API_KEY=<GRAPH_API_KEY>
GRAPH_SUBGRAPH_ID=<SUBGRAPH_ID>
GRAPH_GATEWAY_URL=https://gateway.thegraph.com/api/<GRAPH_API_KEY>/subgraphs/id/<SUBGRAPH_ID>

設定後はアプリを再デプロイし、実行時に旧Studio URLではなくGatewayへ送信されることをネットワークログで確認します。キー本体を例外ログ、分析サービス、サポートチケットへ出力しないでください。APIキーを狙う誘導や秘密情報の送信要求には、暗号資産詐欺の予防策と同様に応じないことが基本です。

キー入りURLを画面、例外ログ、分析サービス、サポートチケットへそのまま出力しないようにします。アプリ内でURLを組み立てる場合も、キー部分をマスクしたログ関数を使います。過去ログに旧キーが残っているなら、公開範囲を確認し、必要に応じて再生成します。

Subgraph IDとDeployment IDを使い分ける

まなぶ「クリプ先生、Subgraph IDとDeployment IDは同じものですか?」

クリプ「役割が違うよ。通常はSubgraph IDで公開中の版を参照し、特定版へ固定したい検証ではDeployment IDを使うんだ。」

Subgraph IDによる経路は、Subgraphとして公開されている版をたどる通常の利用に向きます。Deployment IDは特定の配置物を直接指定するため、比較試験や明示的な版固定に使えます。ただし、固定したままでは新しい公開版へ自動的に追従しません。

本番でどちらを採用するかは、更新運用と障害時の戻し方を含めて決めます。IDを取り違えると、古い版を参照し続けたり、意図しない最新版へ進んだりします。設定値にはIDの種類を示す変数名を使い、レビュー時にExplorerの表示と照合します。

本番切替前後の動作を比較検証する

Explorerで同一クエリを事前検証する

アプリで頻繁に使うもの、ページネーションを使うもの、絞り込みや並び替えがあるもの、空結果になりやすいものを検証セットにします。旧環境がまだ比較可能なら、変数と時点を揃えて同じGraphQLクエリを送り、レスポンスを保存します。旧環境が利用できない場合は、既知のトランザクションや過去に保存した期待値と比較します。

データ・最新ブロック・エラー・遅延を比較する

比較対象はレコード件数だけではありません。主要なIDと値、並び順、ページ境界、最新ブロック、GraphQLエラー、HTTP状態、応答時間を見ます。ブロックが進行中なら完全一致しないこともあるため、同じブロック範囲へ絞るなど、差の理由を説明できる条件に揃えます。

遅延は一度の測定で結論を出さず、通常時と負荷時に複数回観測します。自動キュレーションやIndexerの存在は、個々のアプリに必要な性能を保証しません。利用地域、クエリの複雑さ、返却量も含め、アプリ側の許容値で判断します。

リトライとフォールバック方針を決める

一時的な通信エラーには、間隔を広げるリトライと回数上限を設けます。即時の無限再試行は障害を増幅し、利用量も押し上げます。読み取り処理であっても、同じ重いクエリを大量に再送しないようにします。

Graph Clientには複数Indexer、タイムアウト、retry、fallbackに関する機能がありますが、導入すれば自動的に安全になるわけではありません。古いキャッシュを返すのか、機能を一時停止するのか、ユーザーへ更新遅延を表示するのかをサービス要件に沿って決めます。異なる版へのフォールバックはスキーマ互換性も確認します。

切替可否は、担当者の感覚ではなく、事前に決めた受け入れ条件で判定します。たとえば、必須クエリがすべて成功すること、許容する最新ブロックとの差を超えないこと、想定するエラー処理が動くこと、APIキーの制限で正規の呼び出しだけが通ることを確認項目にします。入力調査は具体的なしきい値を示していないため、秒数や件数を一律に置かず、各サービスの要件から決めてください。

異常が出た場合は、まず認証、公開状態、同期、クエリ、アプリ実装のどこに原因があるかを分けます。HTTPの認証エラーならキーとURLの組み立て、GraphQLエラーならスキーマと変数、古い結果なら同期ブロック、タイムアウトならクエリ量とクライアント設定を確認します。複数の変更を一度に戻すと原因が分からなくなるため、設定変更の履歴を残し、一項目ずつ検証します。

旧環境との結果差が出たときは、ただちに新環境の誤りと決めつけません。照会時点のブロック、並び順の指定、ページネーションのカーソル、同名フィールドの型、欠損値の扱いを揃えます。対象チェーンが進行している以上、時刻だけを合わせても参照ブロックが異なることがあります。再現用クエリには変数と期待値に加え、確認したブロック情報も保存します。

切替後の監視と旧版整理で移行を完了する

Gatewayへ切り替えて実測値を監視する

可能なら検証環境、社内利用、一部トラフィック、本番全量の順に切り替えます。各段階で成功率、GraphQLエラー、応答時間、データの最新性、Indexerの同期、Gateway利用量を確認します。切替時刻、設定変更、担当者を記録すると、異常との因果関係を追いやすくなります。

アラートには、単発の失敗だけでなく、一定期間のエラー増加、ブロック差の拡大、応答時間の悪化を使います。チェーン側の一時的な停止と、Subgraphのmappingエラー、Gateway認証エラーを同じ障害として扱わず、観測点を分けてください。

支出上限到達とAPIキー不正利用を検知する

利用量が通常範囲を超えたら通知し、キー別と呼び出し元別に追跡します。上限到達は費用を止める安全装置である一方、アプリのデータ取得停止にもつながり得ます。上限に近づいたときの連絡先、増額判断、キー停止、不正アクセス遮断を運用手順に含めます。

不正利用を疑う兆候には、通常使わない時間帯やドメインからの急増、廃止した画面だけが使うクエリの再出現、単一クエリの高頻度な反復などがあります。監視で兆候を見つけたら、まず影響範囲を把握し、制限の強化またはキー再生成を行います。その後、アプリの設定を更新し、古いキーがログ、配布物、ソース履歴に残っていないか調べます。

支出上限を変更するときは、アクセス増の理由を確認します。正常な利用増であれば、上限だけでなくクエリ効率やキャッシュも点検できます。再試行の不具合や第三者利用が原因なら、上限を引き上げるだけでは問題を長引かせます。費用の確認と可用性の判断を同じ担当者だけに集中させず、開発と運用で情報を共有します。

安定稼働を確認してから旧版を整理する

Gateway切替直後に旧版や旧設定を削除すると、問題発生時の比較材料と戻し先を失います。定めた観測期間に主要クエリ、同期、利用量が安定し、関係する全サービスの切替が完了したことを確認してから整理します。公開済みSubgraphの削除はExplorer上の表示や利用者に影響するため、対象を慎重に確認します。

最後に、旧Studio URLがコード、環境変数、ドキュメント、監視、サンプル、CIに残っていないか再検索します。APIキーの不要な権限を外し、一時的な検証キーを失効させ、手順書をGateway前提へ更新します。これで移行は「URLを変えた」状態から、継続運用できる状態になります。

運用メモ:安定確認後に一時キー、不要権限、旧分岐を整理します。一方、Subgraph ID、公開版、トランザクション識別子、比較結果、担当と確認日時は秘密値を除いて保存し、次回publishと障害対応に引き継ぎます。

移行完了チェックリスト

  • 旧Studio URLの利用箇所と対象チェーンを棚卸しした
  • ログ、代表クエリ、Network互換性を確認した
  • 公開版を固定し、ウォレットとArbitrum Oneのガスを準備した
  • Networkへpublishし、ExplorerとIndexer同期を確認した
  • 本番APIキー、支出上限、ドメイン・Subgraph制限を設定した
  • Gateway URLとIDの種類を確認して比較試験した
  • 段階的に切り替え、エラー、遅延、最新性、利用量を監視した
  • 安定確認後に旧版、旧URL、一時キーを整理した

最も重要なのは、publish成功と本番切替を同じ瞬間にしないことです。公開、同期確認、認証設定、比較検証、段階切替の順を守れば、データ欠損や誤った版の参照、想定外の利用量を発見しやすくなります。

完了証跡として、Explorerの公開版、最新ブロック差、代表クエリ結果、キー制限、利用量、アプリのリリース番号、確認日時を保存します。秘密値は含めません。対象外の環境にも「確認済み・変更不要」と理由を記録します。

核心はpublishと切替を分けることです。公開後に同期とクエリを判定し、APIキー制限を確かめ、段階的にGatewayへ切り替えて初めて移行完了です。

FAQ

よくある質問

クリプ先生、BNB Chain・Polygonの旧Studio URLを使っているか、どう確認すればいい?

まなぶ、まず本番・検証・バッチの環境変数とネットワークログを見よう。Studioの旧ステージングURLが残っていれば移行対象だよ。Network公開済みでGateway URLだけなら、原則として接続変更は不要なんだ。

クリプ先生、Networkへpublishしたら、どれくらい待って切り替えるの?

固定の待ち時間では決めないよ。Explorerで索引済みブロックがチェーンの現在地に許容差まで近づき、索引エラーがなく、代表クエリが期待どおり返るまで待とう。

クリプ先生、Graph GatewayのURLはどんな形式?

通常は「https://gateway.thegraph.com/api/&lt;GRAPH_API_KEY&gt;/subgraphs/id/&lt;SUBGRAPH_ID&gt;」の形だよ。実際のURLは対象SubgraphのExplorer画面からコピーして、IDの転記ミスを防ごう。

クリプ先生、BNB Chain版とPolygon版で変える設定は何?

主にmanifestのnetwork、コントラクトアドレス、startBlockだよ。チェーン別の実値を確認して成果物を分けよう。Networkへのpublish、同期確認、APIキー、Gateway切替の流れは共通なんだ。

クリプ先生、Indexerの同期完了はどこで確認するの?

Graph Explorerの同期・ヘルス表示とクエリ結果を見るよ。索引済み最新ブロック、現在ブロックとの差、索引エラー、代表クエリの4点を確認してね。

クリプ先生、APIキーと料金では何を設定すればいい?

本番・検証でキーを分け、許可ドメイン、許可Subgraph、月次支出上限、利用量通知を設定しよう。条件は変わり得るから、無料枠や料金は作業時の公式画面で確認してね。

クリプ先生、Subgraph IDとDeployment IDはどう使い分けるの?

通常運用は公開版をたどるSubgraph ID、特定版の比較試験はDeployment IDだよ。Deployment IDへ固定すると新しい公開版に自動追従しない点に注意しよう。

Sources

参考・出典

  1. Bringing Subgraph Studio Traffic to The Graph Network The Graph
  2. Publishing a Subgraph to the Decentralized Network The Graph Docs
  3. Deploying Using Subgraph Studio The Graph Docs
  4. Querying from an Application The Graph Docs
  5. How to Manage API keys The Graph Docs
  6. Subgraph Studio FAQs The Graph Docs
  7. Supported Networks The Graph Docs
  8. Polygon Mainnet The Graph Docs
  9. Quick Start The Graph Docs
  10. Subgraphs The Graph Docs
  11. Querying Best Practices The Graph Docs
  12. GraphQL API The Graph Docs
  13. The Graph Client Tools The Graph Docs
  14. Serving Queries The Graph Docs
  15. Enabling Publication Flows The Graph Docs
  16. How to Query a Subgraph Using The Graph The Graph Docs
  17. Developer FAQ The Graph Docs
  18. Advanced Subgraph Features The Graph Docs
  19. Graph Node The Graph Docs
  20. Deploying a Subgraph to Multiple Networks The Graph Docs
  21. Deleting a Subgraph The Graph Docs

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