「ビットコインはどうやって生み出されているの?」「マイニングって聞いたことあるけど、具体的に何をしているの?」
暗号資産(仮想通貨)の世界に興味を持ち始めたばかりの方なら、こんな疑問を抱くのは自然なことです。ビットコインは、銀行や政府のような中央機関が発行するのではなく、「マイニング(採掘)」という独自の仕組みによって新しく生み出されています。
この記事では、ビットコインのマイニングとは何か、どのような仕組みで動いているのか、そして2025年現在の最新状況まで、初心者の方でも理解できるよう丁寧に解説していきます。
この記事で分かること
- マイニングの基本的な仕組みと役割
- プルーフ・オブ・ワーク(PoW)の詳しい解説
- マイニング報酬と半減期の関係
- マイニング難易度とハッシュレートの意味
- マイニングの方法(ソロ・プール・クラウド)
- 必要な機材(ASIC・GPU・CPU)の違い
- 電力消費と環境問題への取り組み
- 2025年における個人マイニングの採算性
- マイニング以外のビットコイン運用方法
マイニングとは?デジタル通貨の「採掘」を初心者向けに解説

マイニングの語源と基本概念
「マイニング(Mining)」という言葉は、英語で「採掘」を意味します。金鉱から金を採掘するように、ビットコインも「採掘」によって新しく生み出されるため、この名前が付けられました。
しかし、ビットコインのマイニングは、実際に地面を掘るわけではありません。コンピュータを使って複雑な計算問題を解くことで、新しいビットコインを獲得する作業を指します(Bitcoin.org よくある質問)。
暗号資産の世界では、取引データを検証し、ブロックチェーンに新しいブロックを追加する作業のことを指します。この作業を行う人を「マイナー(Miner)」と呼びます。
ビットコインにおけるマイニングの役割
マイニングには、ビットコインのネットワークを支える2つの重要な役割があります。
1. 取引の検証と承認
誰かがビットコインを送金すると、その取引情報はネットワーク上に公開されます。マイナーは、この取引が正当なものか(二重支払いがないか、残高は十分か)を検証し、承認する役割を担っています。
2. 新しいビットコインの発行
取引を承認した報酬として、マイナーは新しく発行されたビットコインを受け取ります。これが、ビットコインが「中央銀行なしで」新規発行される仕組みです。
マイニングがなぜ必要なのか
ビットコインには、銀行のような中央管理者が存在しません。では、誰が取引の正当性を保証するのでしょうか?その答えが「マイニング」です。
マイニングによって、以下のことが実現されています:
- 不正取引の防止:同じビットコインを二重に使う「二重支払い」を防ぎます
- 分散型ネットワークの維持:特定の組織に依存しない、公平なシステムを保ちます
- ネットワークのセキュリティ:膨大な計算能力によって、改ざんを困難にします
つまり、マイニングは単なる「ビットコイン生成」だけでなく、ネットワーク全体の信頼性と安全性を支える基盤となっているのです。
ビットコインのマイニングの仕組み:プルーフ・オブ・ワーク(PoW)とは

ハッシュ計算とは何か
ビットコインのマイニングは、「プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、PoW)」という仕組みで動いています(Coincheck – 仮想通貨のPoWとは)。これは、「計算作業を行った証明」を提出することで、報酬を得る仕組みです。
具体的には、マイナーは「ハッシュ関数」という特殊な計算を行います。ハッシュ関数とは、どんなデータを入力しても、決まった長さのランダムな文字列(ハッシュ値)を出力する関数です。
ハッシュ計算の例
入力:「Hello Bitcoin」
↓ SHA-256ハッシュ関数
出力:「3a7bd3e2360a3d29eea436fcfb7e44c735d117c42d1c1835420b6b9942dd4f1b」
※ わずかに入力を変えるだけで、出力は全く異なる値になります
ビットコインでは、この「SHA-256」というハッシュ関数が使われています。マイナーは、特定の条件を満たすハッシュ値を見つけるために、何兆回もの計算を繰り返します。
ナンス(Nonce)と難易度調整の仕組み
マイナーが見つけるべきハッシュ値には、特定の条件があります。それは、「先頭に一定数のゼロが並ぶハッシュ値を見つける」というものです。
「Number used once(一度だけ使われる数字)」の略で、マイナーが正しいハッシュ値を見つけるために変更し続ける値です。正解のナンスを見つけることが、マイニングの核心部分です。
例えば、「先頭に18個のゼロが並ぶハッシュ値」という条件の場合、マイナーはナンスの値を1から順番に変えながら、何兆回もハッシュ計算を繰り返します。正解のナンスを最初に見つけたマイナーが、報酬を獲得できます(OANDA – ブロックチェーンのPoWとは)。
この「先頭に並ぶゼロの数」が、マイニングの「難易度(Difficulty)」を決定します。ゼロの数が多いほど、正解を見つけるのが難しくなります。
ブロック生成と取引承認のプロセス
マイニングのプロセスは、以下のステップで進みます:
- 取引データの収集:ネットワーク上で発生した未承認の取引をまとめます
- ブロックの作成:取引データ、前のブロックのハッシュ値、ナンスなどを含むブロックを作ります
- ハッシュ計算:条件を満たすハッシュ値を見つけるため、ナンスを変えながら計算を繰り返します
- ブロックの追加:正解を見つけたマイナーが、ネットワークにブロックを公開します
- 報酬の獲得:他のマイナーがブロックの正当性を確認し、承認されると報酬が支払われます
ビットコインでは、約10分ごとに1つの新しいブロックが生成されるよう、難易度が自動調整されています。これにより、ネットワークの安定性が保たれています。
マイニング報酬の仕組み:マイナーはどうやって稼いでいるのか

ブロック報酬の内訳(新規発行+取引手数料)
マイナーが受け取る報酬は、2つの部分から構成されています。
1. ブロック報酬(新規発行されるビットコイン)
新しいブロックを生成したマイナーは、新しく発行されるビットコインを受け取ります。2025年現在、この報酬は3.125 BTCです(EBC Financial Group – ビットコインマイニングの現状と将来性)。
2. 取引手数料
ブロックに含まれる全ての取引に付随する手数料も、マイナーの収入になります。2025年7月のデータでは、取引手数料が報酬全体に占める割合は0.985%と、史上初めて1%を下回りました(BF Media – ビットコインマイニングの現状)。
2025年のマイニング報酬の現状
- ブロック報酬:3.125 BTC
- 取引手数料:報酬全体の約1%
- 1ブロック生成時間:約10分
半減期とは?報酬が減る理由
ビットコインには、「半減期(Halving)」という独自の仕組みがあります。これは、約4年ごとにブロック報酬が半分になるイベントです(CoinDesk Japan – ビットコインの半減期とは)。
半減期は、ビットコインの発行総数が2,100万枚に達するまで続きます。これにより、インフレを防ぎ、希少価値を保つことができます。
| 半減期回数 | 発生時期 | ブロック報酬 |
|---|---|---|
| 初期 | 2009年 | 50 BTC |
| 第1回 | 2012年11月 | 25 BTC |
| 第2回 | 2016年7月 | 12.5 BTC |
| 第3回 | 2020年5月 | 6.25 BTC |
| 第4回 | 2024年4月 | 3.125 BTC |
| 第5回(予定) | 2028年頃 | 1.5625 BTC |

出典:SBI VCトレード – ビットコイン半減期カウントダウン
半減期後は、新規発行が減る一方で、取引需要が増えれば取引手数料の割合が高まり、マイナーの収益構造が変化していくと予測されています。
2025年現在の報酬額と次回の半減期
2024年4月20日に第4回目の半減期を迎え、ブロック報酬は6.25 BTCから3.125 BTCに減少しました(SBI VCトレード – ビットコイン半減期カウントダウン)。
2025年1月にはビットコインが史上最高値となる10万9,000ドルを突破するなど、半減期後の価格上昇が見られました。過去のパターンでは、半減期から約1年後に大きな価格上昇が起こる傾向があります。
次回の半減期は2028年頃に予定されており、報酬は1.5625 BTCまで減少する見込みです。このころには、マイナーの収益源が「新規発行」から「取引手数料」へと移行する転換点になると考えられています。
マイニングの難易度とハッシュレート:競争が激化する理由

マイニング難易度とは
マイニング難易度(Difficulty)とは、ブロックを生成するために必要な計算量を示す指標です。難易度が高いほど、正解のナンスを見つけるのが難しくなります(CoinPost – マイニングにおけるDifficultyとは)。
ビットコインのプロトコルは、約10分ごとに1ブロックが生成されるよう、難易度を自動調整します。マイナーが増えて計算能力が上がると、難易度も上がり、マイナーが減ると難易度も下がります。
約2週間(2,016ブロック)ごとに、前回の調整期間中のブロック生成速度を分析し、次の期間の難易度を決定します。これにより、ブロック生成時間が常に約10分に保たれます。
ハッシュレートの推移と市場動向
ハッシュレート(Hash Rate)とは、ビットコインネットワーク全体の計算能力を示す指標で、「1秒あたりに実行されるハッシュ計算の回数」で表されます。
2025年のハッシュレートは、以下のような推移を見せています(BF Media – ビットコインマイニングの現状):
- 2025年1月:775 EH/s(エクサハッシュ毎秒)
- 2025年4月:過去最高の900 EH/sに到達
- 2025年6月:約30%低下し、700 EH/sを下回る(2021年以来最も急激な低下)
- 2025年7月:863 EH/sまで回復
- 2025年11月:1.1 ZH/s(ゼタハッシュ毎秒)を上回る水準を維持
2025年6月の急激な低下は、熱波関連の影響でマイニング施設が一時的に稼働を停止したためと見られています(CoinDesk Japan – ビットコインのマイニング難易度)。
難易度調整の仕組みとタイミング
2025年11月には、マイニング難易度は6.3%上昇して過去最高となる156兆(T)に達しました(Crypto Trillion – ビットコイン採掘難易度が過去最高を更新)。
難易度調整のメカニズムは以下の通りです:
- 過去2,016ブロック(約2週間)の生成時間を計算
- 平均生成時間が10分より短ければ難易度を上げ、長ければ難易度を下げる
- 次の2,016ブロックに新しい難易度を適用
2025年のマイニング難易度推移
- 7月13日:126.27 Tに達し、前回から7.96%上昇
- 8月20日:129兆に達し、過去90日間で6.4%上昇
- 11月:過去最高の156兆に到達、6.3%上昇


出典:BF Media
このように、マイニング難易度とハッシュレートは密接に関連しており、市場の競争状況を反映しています。
マイニングの方法:ソロ・プール・クラウドの違い

ソロマイニング:個人で挑戦する方法
ソロマイニング(Solo Mining)とは、個人で単独でマイニングを行う方法です。正解のナンスを見つければ、ブロック報酬を全額(現在3.125 BTC)独り占めできます。
- 報酬を全額受け取れる
- 手数料がかからない
- 自分のペースでマイニングできる
- 成功確率が極めて低い(宝くじに当たる確率に近い)
- 膨大な計算能力と電力が必要
- 長期間報酬を得られない可能性が高い
2025年現在、ビットコインのマイニング難易度は過去最高水準に達しており、個人のソロマイニングで成功するのは極めて困難です。実際に、2025年3月に個人マイナーがソロでブロック生成に成功し、約2,600万円相当のビットコインを獲得したニュースがありましたが、これは極めて稀なケースです(CoinDesk Japan – 個人マイナー、ビットコインのブロック生成に成功)。
マイニングプール:協力して採掘する仕組み
マイニングプール(Mining Pool)とは、複数のマイナーが計算能力を合わせて、共同でマイニングを行う仕組みです。報酬は、各マイナーが提供した計算能力に応じて分配されます(Wikipedia – マイニングプール)。
2025年現在、主要なマイニングプールのマーケットシェアは以下の通りです:
| プール名 | マーケットシェア | 手数料 |
|---|---|---|
| Foundry USA | 約32% | 2-3% |
| Antpool | 約19% | 2-3% |
| F2Pool | 約15% | 2.5% |
| バイナンスプール | 約11% | 2.5% |
| ViaBTC | 約9% | 2% |
出典:CoinPost – BTCマイニング市場でFoundry USA勢力急拡大
マイニングプールは、個人マイナーにとって最も現実的な選択肢です。安定した収入が期待できますが、手数料が差し引かれることに注意が必要です。
クラウドマイニング:機器を持たずに参加する方法
クラウドマイニング(Cloud Mining)とは、マイニング機器を所有せず、第三者の機器をレンタルしてマイニングを行う方法です。
- 高額な機器を購入する必要がない
- 電気代や機器のメンテナンスが不要
- 初心者でも簡単に始められる
- 詐欺的なサービスが多く存在する
- 契約期間中に採算が合わなくなるリスクがある
- サービス提供会社が倒産する可能性がある
クラウドマイニングサービスを利用する場合は、運営会社の信頼性を十分に確認してください。過去には、実際にマイニングを行わず、投資金を騙し取る詐欺的なサービスも多数報告されています。
マイニングに必要な機材:ASIC・GPU・CPUの違いと選び方

ASIC(専用機器)の性能とコスト
ASIC(Application-Specific Integrated Circuit、特定用途向け集積回路)とは、ビットコインのマイニング専用に設計されたハードウェアです(CoinPost – ASICマイニングとGPUマイニングの違い)。
2025年の主要なASICマイナーには、以下のようなモデルがあります:
- Bitmain Antminer S19 XP:最新世代のASIC、エネルギー効率に優れる
- MicroBT M30S++:31 J/THという最も効率的なASICマイナーの一つ、最低価格約150万円
ASICマイナーの特徴
- 初期投資:数十万円~数百万円以上
- 消費電力:1,950W前後(機種による)
- ハッシュレート:100 TH/s以上(機種による)
- ROI(投資回収期間):10~12ヶ月程度(電気代による)
ASICは専用設計のため、ビットコインマイニングにおいて最も高い効率を発揮しますが、初期費用が高額で、特定の暗号資産にしか使えないというデメリットがあります。
GPU・CPUマイニングとの比較
GPU(Graphics Processing Unit)とCPU(Central Processing Unit)でもマイニングは可能ですが、ビットコインマイニングにおいてはASICに太刀打ちできません。
| 機材タイプ | 性能 | コスト | 柔軟性 |
|---|---|---|---|
| ASIC | 非常に高い | 高額(数十万~数百万円) | 低い(特定通貨専用) |
| GPU | 中程度 | 中程度(10万~30万円) | 高い(複数の通貨に対応) |
| CPU | 低い | 低い(既存PCで可能) | 最も高い |
GPUは、イーサリアムなど他の暗号資産のマイニングには有効ですが、ビットコインでは採算が合いません。2025年には、CPUマイニングは収益性がほぼ失われつつあると報告されています(Finance Feeds – 2025年にCPUマイニングは終焉か)。
2025年のおすすめ機材と初期投資
2025年現在、個人がビットコインマイニングを始める場合、現実的な選択肢は限られています:
初心者へのアドバイス
- 本格的に始める場合:最新世代のASICマイナーを購入し、マイニングプールに参加する
- お試しで始める場合:クラウドマイニングサービス(信頼できる運営会社のみ)を少額で試す
- 他の暗号資産も視野に入れる場合:GPUを購入し、イーサリアムやその他のアルトコインをマイニングする
ただし、日本では電気代が高く、マイニングの採算性は非常に厳しい状況です。初期投資を回収できるかどうか、慎重に検討する必要があります。
マイニングの電力消費と環境問題:知っておくべき課題

ビットコインマイニングの電力消費量
ビットコインのマイニングは、膨大な電力を消費することで知られています。2025年現在、ビットコインマイニングによって消費される年間の推定電力量は141.89 TWh(テラワットアワー)で、これは日本が1年間に消費する電力量の約15%に相当します(エネがえる – マイニング電気代はいくら)。
ビットコインマイニングの電力消費
- 年間消費電力:約141.89 TWh
- 日本の年間電力消費の約15%に相当
- オランダ1国分の電力消費量に匹敵
- 2020-2021年:173.42 TWhの電力を消費
2020年から2021年の間に、石炭がビットコインのエネルギー供給源の45%を占めており、環境負荷が懸念されています(国連大学 – 暗号資産による環境負荷を示す最新報告書)。
さらに興味深いことに、AIは2025年末までに世界中のデータセンター電力消費の約49%を占める可能性があり、年間201テラワット時の消費に相当し、これは現在のビットコインネットワークの年間消費量176 TWhを上回る数値です(Crypto Trillion – AIの電力消費)。
環境問題への取り組みと再生可能エネルギー
マイニングの環境負荷に対する批判を受け、業界では再生可能エネルギーの利用が進んでいます。
- 水力発電の活用:中国の雨季には、水力発電の余剰電力を活用したマイニングが行われていました
- 太陽光・風力の利用:テキサス州など、再生可能エネルギーが豊富な地域でマイニングファームが建設されています
- メタンガスの活用:埋め立て地や油田から発生するメタンガスを燃料にしたマイニングも試みられています
一部の専門家は、ビットコインマイニングが余剰電力の有効活用や、再生可能エネルギーの開発促進に貢献する可能性があると指摘しています(HEDGE GUIDE – ビットコインは本当に電力の無駄遣いで環境にも悪いのか)。
規制動向と持続可能性への対応
各国では、マイニングの環境負荷に対する規制が検討されています。
- 中国:2021年にマイニングを全面禁止し、ハッシュレートが大幅に低下しました
- カザフスタン:電力不足を理由に、マイニング事業者への電力供給を制限
- クウェート:2025年5月、マイニング業者の一斉摘発を実施。停電を引き起こす電力危機の主因と見なされました(エネがえる)
- カナダ・ロシア:2025年には新たなマイニング法案が提出され、規制と推進のバランスが問われています
持続可能なマイニングを実現するため、業界全体でエネルギー効率の向上と、クリーンエネルギーへの移行が求められています。
個人でマイニングは儲かるのか?2025年の採算性を検証

個人マイニングの収益性の現状
結論から言うと、2025年現在、日本で個人がビットコインマイニングを行って利益を出すことは極めて困難です(Mediverse – 仮想通貨マイニングはもう儲からないのか)。
その主な理由は以下の通りです:
- マイニング難易度の上昇:2025年11月には過去最高の156兆に達し、個人の計算能力では太刀打ちできません
- 半減期による報酬減少:2024年4月の半減期で報酬が3.125 BTCに減少しました
- 電気代の高騰:日本の家庭用電気料金は約31円/kWhと世界的に見ても高水準です
- 税制改正の影響:2025年4月1日より、マイニング設備が中小企業経営強化税制の適用対象から除外されました(S-Finance – マイニング投資はもう終わり)
2025年11月現在は電気代の高騰や採掘難易度の上昇により、赤字になるケースが大半を占めています。得られるビットコインよりも電気代の方が高く付いてしまいます(After POS – 個人マイニングは儲からない)。
電気代とマイニング報酬の損益分岐点
個人マイニングの収益性を左右する最大の要因は、電気代です。
ASIC マイナー(消費電力1,950W)を1台稼働させた場合の電気代を計算してみましょう:
電気代の試算
- 消費電力:1,950W = 1.95 kW
- 1日の消費電力:1.95 kW × 24時間 = 46.8 kWh
- 1ヶ月の消費電力:46.8 kWh × 30日 = 1,404 kWh
- 電気料金(31円/kWh):1,404 kWh × 31円 = 約43,524円/月
一方、マイニングプールに参加した場合の報酬は、ハッシュレートやプールのシェアによって変動しますが、高性能なGPUでも月に数千円から1万円程度の収益にとどまります(After POS)。
カナコード・ジェニュイティの調査報告書によると、ほとんどの主要企業では、ビットコイン1枚当たりのマイニングコストは2万6,000ドルから2万8,000ドルの範囲にあるとされています(CoinDesk Japan – ビットコインマイニングの採算性は安定)。大規模なマイニング企業でさえ、厳しい採算状況であることがわかります。
日本でマイニングを始める際の注意点
それでもマイニングに挑戦したい場合、以下の点に注意してください:
- 電気契約の確認:家庭用電気契約では容量が不足する場合があります
- 騒音対策:ASICマイナーは非常に大きな騒音を発生します
- 冷却設備:発熱量が大きいため、十分な冷却が必要です
- 税金の理解:マイニングで得た暗号資産は雑所得として課税されます
- 初期投資の回収期間:ROI(投資回収期間)を慎重に計算してください
現実的なアドバイス
2025年現在、個人がビットコインマイニングで利益を出すのは非常に困難です。それよりも、取引所でビットコインを購入したり、レンディングサービスを利用したりする方が、リスクとリターンのバランスが良いと言えます。
マイニング以外のビットコイン運用方法:初心者におすすめの選択肢

取引所での現物購入
最もシンプルで初心者向けの方法は、暗号資産取引所でビットコインを直接購入することです。
- 初期投資が少額から可能(数百円から購入できる取引所もあります)
- 複雑な知識や設備が不要
- いつでも売却して日本円に換金できる
日本国内の主要な暗号資産取引所には、以下のようなものがあります:
- bitFlyer(ビットフライヤー)
- Coincheck(コインチェック)
- GMOコイン
- bitbank(ビットバンク)
- SBI VCトレード
取引所を選ぶ際は、手数料、セキュリティ対策、使いやすさなどを比較検討しましょう。
レンディング(貸付)サービス
レンディングとは、保有しているビットコインを取引所やプラットフォームに貸し出すことで、利息を得る方法です(S-Finance)。
| 項目 | マイニング | レンディング |
|---|---|---|
| 初期投資 | 数十万~数百万円 | 少額から可能 |
| 電気代 | 月数万円以上 | 不要 |
| 専門知識 | 必要 | ほぼ不要 |
| リスク | 高い | 中程度 |
| 期待利回り | マイナスの可能性 | 年1~5%程度 |
レンディングは、低リスクで安定した運用を求める方におすすめです。
ステーキング対応の他の暗号資産
ビットコインはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を採用していますが、イーサリアムなど一部の暗号資産は「ステーキング」という仕組みを採用しています。
暗号資産を保有して、ブロックチェーンネットワークのセキュリティ維持に貢献することで報酬を得る仕組みです。マイニングのように膨大な電力を消費しません。
ステーキング対応の主な暗号資産:
- イーサリアム(ETH):2022年にPoSに移行、年利3~5%程度
- カルダノ(ADA):ステーキングに特化した設計、年利4~6%程度
- ポルカドット(DOT):マルチチェーンプラットフォーム、年利10~12%程度
ステーキングは、マイニングに比べて環境負荷が低く、初心者でも参加しやすい仕組みです。ただし、価格変動リスクがあることを忘れずに、余剰資金で運用するようにしましょう。
まとめ:ビットコインマイニングの現状と今後の展望
ビットコインのマイニングは、ブロックチェーンネットワークを支える重要な仕組みです。プルーフ・オブ・ワーク(PoW)という独自のコンセンサスアルゴリズムにより、中央管理者なしでも安全で信頼できる取引が実現されています。
しかし、2025年現在、個人がマイニングで利益を出すことは極めて困難な状況です。その主な理由は:
- マイニング難易度が過去最高水準に達している
- 2024年の半減期で報酬が減少した
- 日本の電気代は世界的に高水準
- 大規模なマイニングファームとの競争が激化している
一方で、マイニング業界は変革期を迎えています。多くのマイニング企業がAIおよびハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)データセンター事業へと転換し、より安定した収益源を確保しようとしています。また、環境問題への対応として、再生可能エネルギーの活用も進んでいます。
初心者へのアドバイス
ビットコインに投資したいと考えているなら、マイニングではなく、取引所での現物購入やレンディングサービスの利用を検討してください。マイニングは、専門知識と膨大な初期投資が必要な上、収益性が保証されていません。
ビットコインの未来は、マイニングだけではありません。ブロックチェーン技術の進化とともに、様々な運用方法や投資機会が生まれています。自分に合った方法でビットコインの世界に参加し、デジタル資産の可能性を探ってみてください。
投資は自己責任で
暗号資産(仮想通貨)への投資は、価格変動リスクが非常に高い投資です。投資判断は自己責任で行い、余剰資金の範囲内で行うようにしてください。この記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
参考文献
- Bitcoin.org – よくある質問
- Coincheck – 仮想通貨のPoWとは?仕組みや種類・代表例なども紹介
- OANDA – ブロックチェーンのPoW(Proof of Work)とは
- EBC Financial Group – ビットコインマイニングの現状と将来性
- CoinDesk Japan – ビットコインの半減期とは
- SBI VCトレード – ビットコイン半減期カウントダウン
- BF Media – ビットコインマイニングの現状
- Crypto Trillion – ビットコイン採掘難易度が過去最高を更新
- CoinDesk Japan – ビットコインのマイニング難易度
- CoinPost – マイニングにおけるDifficulty(採掘難易度)とは
- Wikipedia – マイニングプール
- CoinDesk Japan – 個人マイナー、ビットコインのブロック生成に成功
- CoinPost – BTCマイニング市場でFoundry USA勢力急拡大
- CoinPost – ASICマイニングとGPUマイニングの違い
- MinerField – 暗号資産マイニングとは
- Finance Feeds – 2025年にCPUマイニングは終焉か
- エネがえる – マイニング電気代はいくら
- 国連大学 – 暗号資産による環境負荷を示す最新報告書
- Crypto Trillion – AIの電力消費、2025年末までにビットコインを凌駕へ
- HEDGE GUIDE – ビットコインは本当に電力の無駄遣いで環境にも悪いのか
- Mediverse – 仮想通貨マイニングはもう儲からないのか
- S-Finance – マイニング投資はもう終わり?
- After POS – 個人マイニングは儲からない?
- CoinDesk Japan – 2025年、ビットコインマイニングの採算性は安定し、利益を生み出す



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